脱毛の仕組みとは?
【1】レーザーや光は黒いメラニン色素に反応するので、毛が生えていない毛穴には効果がありません。
毛が伸びていると照射口を肌に押し付けた時に、余計なところにレーザー熱が反応してしまい、火傷の危険性があるので、必ず毛を剃った状態で行います。
【2】毛の断面にレーザーや光を照射すると、メラニン色素がレーザー熱を吸収します。
【3】熱が毛根周辺に放出される時に、毛根細胞にダメージを与えます。残った毛は抜け落ちます。これを数ヶ月おきに繰り返し脱毛していきます。
始める前に知っておきたい脱毛の注意点
- ●「永久脱毛」でも生えて来ることがある
- ●脱毛サロンと医療脱毛では効果が違う
- ●毛が伸びている状態に照射しないと効果がない
- ●1回じゃ終わらない
- ●濃い毛ほど効果が高く、薄い毛ほど効果が低くなる
「永久脱毛」でも生えて来ることがある
私は初めて脱毛をする時に、品川美容外科の医師からこんな感じの説明を受けました。↓
「レーザー脱毛の歴史は、まだ数十年程度なので、脱毛してから死ぬまでの間に毛が生えなかったと証明できるデータが存在していない。そのため、一生、生えないと言い切ることは出来ないが、半永久的な効果は得られる。」
という内容でした。
それに、妊娠などホルモンが変化するきっかけで、今まで生えていなかった毛穴から、毛が生えてくることもあるそうです。
永久脱毛というのは、医療脱毛のことで、脱毛サロンの脱毛は永久ではなく、減毛という立場です。
なぜ、脱毛サロンでは、永久脱毛ができないのかというと、「永久脱毛」は医療機関でのみ適用される行為で、医療機関でないエステサロンが行うと違法になってしまうから。
厚生労働省の通達では、「レーザー光線又はその他の強力なエネルギーを有する光線を毛根部分に照射し、毛乳頭、皮脂腺開口部等を破壊する行為」には医師法が適用されます。
だから、エステ脱毛では、毛根組織を破壊できるほどのエネルギーで照射することはできないんです。
脱毛サロンと医療脱毛では効果が違う
仕組みは、医療脱毛でも脱毛サロンでも同じですが、大きなの違いは「温度」と、医療では「レーザー」、脱毛サロンでは「光」を使用しているというところ。
医療脱毛では、瞬間的に200℃の高温になり、エステの光脱毛では60〜80℃程度の温度で照射します。
毛乳頭や毛根組織へのダメージも、エステ脱毛の方が弱く、かかる回数も医療脱毛と比べ、脱毛サロンは2倍〜3倍は多くかかります。
その分、痛みはエステの脱毛の方が弱いんですけどね。肌へのダメージも弱いので、どっちを選ぶかは好みかなと思います。
「レーザー脱毛」と「光脱毛」の違いについては、下のレーザー脱毛と光脱毛の違いで書いています。
毛が伸びている状態に照射しないと効果がない
毛が伸びている状態のことを、毛の「成長期」と呼びますが、毛には成長期・退行期・休止期という一定のサイクルがあり、毛乳頭から毛が生えている「成長期」に照射することで効果が得られます。
上で説明した通り、脱毛はメラニン色素にダメージを与える仕組みなので、毛が抜け落ちた後の休止期と、毛の成長が止まり、抜け落ちるのを待っている退行期だと、毛乳頭まで熱エネルギーが到達しないため、効果が得られません。
1回じゃ終わらない
脱毛は毛のサイクルにあわせて照射するため、医療脱毛で最低5回以上、エステの脱毛で最低12回以上の回数がかかります。
この毛の生えるサイクルは、実は部位によって期間が違います。
一番早く生えるのは産毛で、逆に一番長いのは髪の毛。下にそれぞれの部位の毛周期をまとめました。
髪の毛 | 4〜6年 |
---|---|
ワキ | 2〜3ヶ月 |
VIO | 1ヶ月〜2ヶ月 |
腕 | 1ヶ月半〜2ヶ月 |
足 | 1ヶ月〜2ヶ月 |
顔 | 1ヶ月〜2ヶ月 |
この表を書くにあたり、医療脱毛を行っている色々なクリニックのサイトを調べました。調べて思ったのは、書いてあるサイトによって期間の差がけっこうあるということ。
人によって個人差が大きいということだと思うんですが、ここでは自分の実体験も踏まえて記載しました。
また、夏の方が早く伸びるし、冬だと遅く伸びるという違いもあります。
参考:トイトイトイクリニック 医療レーザー脱毛の予約はなぜ2カ月間隔なのか?
濃い毛ほど効果が高く、薄い毛ほど効果が低くなる
これも以外な事実ですよね。メラニン保有量が少ない細い毛や茶色い毛には効果も弱まります。
特に、顔や背中などに生えている産毛には、効果が出にくく、照射の出力を上げる必要があります。
効果がゼロというわけではありませんが、エステの脱毛は出力が弱いので、回数が多くかかったり、産毛を完全に脱毛するのは難しいです。
レーザー脱毛でも、色素があまりにも薄い産毛は脱毛できません。
レーザー脱毛と光脱毛の違いとは?
- ●光脱毛…複数の長さの波長が混在しており、レーザーより照射パワーが分散される
- ●レーザー脱毛…単一の長さの波長だけが存在。一定の方向のみにパワーが集中する
レーザーは、光線のパワーが分散しないために、光と比べて、ターゲットにスポット的にダメージを与えることができます。
脱毛サロンの光脱毛の特徴
光脱毛で使用される光は「IPL」とも呼ばれ、500nm〜1200nmの複数の長さの波長を含む光のこと。
数字が低いと、波長が短いということなので、皮膚の浅い層に作用します。レーザー波長の長さは、755nm,810nm,1064nm程度で、光は短い波長と長い波長、両方が含まれていることが特徴です。
光脱毛は、500nm〜1200nmまで網羅しているんだから、レーザーより効果はありそうだけど…と感じるかもしれませんが、光の照射時間も効果に影響を及ぼします。
一般的に照射時間が長いほど、効果も高まりそうに思えますが、毛の場合は、照射時間が短いほど、より集中的にターゲットにダメージを与えることができます。
逆に照射時間が長いと、毛根組織だけでなく、周囲の皮膚にも熱が広がりやすくなり、火傷のリスクが高まるため、高い出力で照射することができません。
そのため、光脱毛はレーザー脱毛に比べて、効果が弱めになりますし、脱毛サロンは法律上、高い出力で照射できないため、回数が多くかかってしまいます。
参考:聖心美容クリニック 美肌マシン レーザーと光(IPL)治療って何が違うの?
医療脱毛に使用されるレーザーの種類
アレキサンドライトレーザー
ジェントルレーズ
アレキサンドライトレーザーは、アレキサンドライトという宝石を利用したレーザーです。脱毛以外にも、シミの治療やニキビの治療にも利用されます。
波長の長さは755nm。長さを聞いてもピンと来ないと思いますが、毛根組織があるのは、真皮と皮下組織の間らへんなので、ちょうどそこまで届く長さです。(表皮→真皮→皮下組織の順で深くなる)
アレキサンドライトレーザーが皮膚のコラーゲンの生成を促進するため、開いた毛穴の引きしめや美肌効果もあります。
私はレジーナクリニックで、受けたことがありますが、実感はよく分かりませんでした。(苦笑)
レーザーの照射時間を、1億分の1秒と非常に短くすることで、集中的に高いパワーの出力で、毛の毛包細胞(毛根周りを包む細胞)を破壊し、他の部位への影響をに抑えることができるレーザー。
アレキサンドライトレーザーを利用した脱毛機
- ジェントルレーズプロ
- ジェントルマックスプロ
ダイオードレーザー
半導体レーザーで、(810nm~980nm)アジア人の毛・肌質に最も適しているレーザーと言われています。
照射口がアレキサンドライトレーザーと比べると広く、均一かつ効率的に手早く脱毛できるため、施術時間が短くなるという利点があります。
ダイオードレーザーは基本的にジェルを塗る必要がありますが、ライトシェアデュエット(脱毛機の種類)の場合、顔など細かいパーツ部位以外なら、冷却ジェルを塗る必要がありません。
私はアリシアクリニックとブランクリニックで、照射の経験がありますが、アレキサンドライトレーザーよりも熱さは感じにくいと思いました。
ダイオードレーザーを利用した脱毛機
- ライトシェアデュエット
- メディオスターNEXT
- ソプラノ
- デピライト
ヤグレーザー
波長が長いレーザーのため、皮膚の深部にまで光が届きます。また、メラニンへの吸収性が低いため、高出力で照射することができます。(火傷のリスクが低い)
ヤグレーザーの中でも、2種類の波長(532nm、1064nm)を出せるQスイッチヤグレーザーとロングパルスヤグレーザーとがあります。
脱毛に使用するのはロングパルスヤグレーザーの方で、Qスイッチヤグレーザーはしみの治療に利用されます
ロングパルスヤグレーザーは波長が長いので、皮下浸透力が深く、皮膚表面に与える影響が小さいことが特徴です。
具体的には、皮膚表面のメラニン色素に反応しにくいため日焼けした肌や色素沈着のある部位でも脱毛することができます。
ヤグレーザーを利用した脱毛機
- ジェントルヤグ
- ジェントルマックスプロ